アパレルOEMで品質がバラつく理由|サンプルと量産が違う原因と対策
- 加藤 洋介
- 5月1日
- 読了時間: 4分
アパレルOEMでよくある悩みの一つに「サンプルと量産品の品質が違う」「1回目と2回目の量産で仕上がりが異なる」という相談があります。これは多くのブランドやメーカーが直面する問題です。この記事では、なぜ品質のズレが起きるのか、その原因を具体的に解説し、どうすれば品質のバラつきを防げるのか対策を紹介します。
なぜ品質のズレが起きるのか
結論から言うと、完全に同じ品質で作ることは難しいのが現実です。以下の3つの理由が主な原因です。
1. 縫い手や担当ラインによる差
同じ工場内でも、縫い手や担当するラインによって仕上がりに差が出ます。特に以下のポイントで個人差が顕著です。
裏側の始末の丁寧さ
ステッチの精度や均一さ
糸の処理や始末の細かさ
例えば、同じデザインのジャケットでも、縫い手Aが担当したものと縫い手Bが担当したものでは、ステッチの細かさや裏地の処理に違いが出ることがあります。
2. 基準が曖昧なまま進むこと
事前に「どこまでのズレを許容するか」「どこは絶対にNGか」が明確でないと、工場側は自社の基準で作業を進めます。その結果、依頼者のイメージと実際の仕上がりにズレが生じます。
例えば「ステッチの曲がりは5mm以内ならOK」といった具体的な基準がないと、工場は自分たちの経験や感覚で判断してしまいます。
3. サンプルと量産の違い
サンプルは少量で丁寧に作られますが、量産は効率とスピードを重視します。この違いが品質差の大きな原因です。
サンプル:1点ずつ細かくチェックしながら製作
量産:大量に短時間で仕上げるため、細部の精度が落ちることもある
このため「サンプルと同じものが量産でも上がるはず」という考えは危険です。

品質トラブルの本質は許容範囲のズレ
品質トラブルの根本は「許容範囲のズレ」にあります。依頼者、OEM会社、工場それぞれの基準が一致していないと問題が起きます。
例えば、依頼者は「寸法の誤差は±0.5cm以内」と考えていても、工場は±1cmを許容範囲とすることがあります。このズレがトラブルの原因です。
品質を安定させるための具体的な方法
ここからは品質のバラつきを減らし、安定させるためのポイントを紹介します。
1. こだわりポイントを明確にする
絶対に譲れない部分と妥協できる部分を分けて整理しましょう。
例:ステッチは絶対にまっすぐであることが必須
例:裏側の始末は多少のズレは許容する
2. 言語化して具体的に伝える
曖昧な表現は避け、具体的に伝えます。
「このステッチは絶対にまっすぐに」
「裏側の糸処理は多少のほつれは許容」
これにより工場側も基準を理解しやすくなります。
3. 見積もりとセットで考える
品質にこだわるほどコストは上がります。どこにコストをかけ、どこを抑えるか設計段階で決めることが重要です。
高品質を求める部分には予算を割く
妥協できる部分はコストを抑える
4. 継続生産で精度を上げる
品質は1回の生産で完成しません。実際には以下の流れで安定します。
1回目:問題点に気づく
2回目:修正を加える
3回目以降:品質が安定する

OEM現場のリアルな話
小ロットで高級ブランドレベルの品質を求めるのは難しいケースが多いです。理由は以下の通りです。
工賃が高くなる
生産体制が整いにくい
工場の特性や設備の限界
これらを理解した上で、現実的な品質とコストのバランスを考えることが大切です。
Luccaの対応例
株式会社Luccaでは、事前のすり合わせを徹底しています。
こだわりポイントや基準、許容範囲を明確にする
アイテムやクオリティに合わせて工場を選定
継続的な改善とフィードバックで品質を安定させる
このように段階的に品質を高めていく体制を整えています。
まとめ
アパレルOEMの品質は「完全に同じものを作る」よりも「調整しながら安定させていく」ものです。重要なのは以下の3点です。
基準を明確にすること
具体的に言語化して伝えること
継続的に改善していくこと




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